金子哲雄さん

先日、写真家 幡野広志さんの本を読み、不治の病の末に至った死生観を知り、思い出した方がいます。
流通ジャーナリスト 金子哲雄さん。
41歳、肺カルチノイドで亡くなられたのですが、著書を僕は以前に読んでいたのです。
2010年頃でしょうか。テレビをつければ映っているというくらい目にしていた方で、独特の話し方、声が印象的でした。
正直、特に意識していた方ではなかったのですが、ニュースでお亡くなりになったことを知り、その後書店で目に入った著書の題名が気になり読んでみた次第です。
「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」金子哲雄 著(小学館)
今日、ふと思い出して久しぶりに読んでみました。
働き盛りのど真ん中に不治の病を宣告され、死へと向かいながらも働くことを貫き、奥さまと共に生き抜いた金子さん。
生前に、自分が亡くなった後の手配をすべて済ませて旅立たれた金子さん。
そんな金子さんを最後の最期まで支え、寄り添った奥さま。
金子さんの病気が発覚してからお亡くなりになるまでが鮮明に綴られていて、まるでお二人のやり取りが目の前で行われているようでした。
たまらない気持ちになりながら読み切った夕方。
どんな言葉で表していいか分からないのですが、ずっと手元に置いて、またいつかふと思い出した時に読みたい。
そうして、大切な人をもっともっと愛して、家族や関わってくれるみなさんに感謝して、僕なりの精一杯を生き抜きたい。