コート・ドール

いつか行こうと言っていたそのレストラン。
僕は、オーナーシェフの著書を20台前半から何度も読んでいました。
同じ本を何度も何度も。
ことあるごとに読み返しては、その時々で入ってくる言葉、湧き上がってくる感情、見えてくる明日の景色、全てが違っていました。
こんな価値観を持った人が作る料理はどんな味がするのだろう。
どんな空間で、どんな人たちが働いているのだろう。

普段はコの字カウンターの大衆酒場が好きな僕です。
東京時代の行きつけは立ち飲み屋でした。
レストランなんて数えるくらいしか行ったことがありません。
しかしながら、今回は別です。
今しかできないこと=二人でレストラン、だなんて、書いててちょっとオシャレすぎる?と恥ずかしくなりますが、気持ちと懐を奮発して行ってきました。

そうしてそのレストランは、「行ってよかった」「今度は3人で来れるようがんばろう!」と思う、本当に素敵で優しいお店でした。
僕みたいな人でも頑張らずにいさせてくれるサービス。
塩味を感じないと言っていいほどあっさりした味付けなのに、すごく満足感のあるお料理たち。
量も少しずつなのに、これで充分!と感じるお味なのです。
すごかったなー。
本当に、全部が全部、やさしい空間でした。

この感動を伝えたい!と後日シェフに宛てて二人でお手紙を書きました。
そうしたらご丁寧にお返事いただいてしまって、そこに書かれた言葉たちがまた金言でして。
今、仕事ができていることに感謝し、仲間と、家族がいることをなにより大切にしていこうと、改めて思ったのでした。