シルク糸

ゴーシュでは最近シルクで織る方が多いです。
3月に入荷したばかりなので使っていただけてとても嬉しいですし、これを機会に僕も少しずつシルクに対する実感が溜まってきました。
ゴーシュで扱うシルクは「野蚕(やさん)」といい野生のお蚕(かいこ)さんからいただいたものです。
いわゆる世の中で見かけるシルクは細くてキラキラしたものですが、野蚕の糸はふっくらしていてぱっと見は綿のようです。
また分かりやすいキラキラ感ではなく、じっと見ると見えてくる静かな光沢、とでも言いましょうか。おしとやかな印象のキラキラ感なのです。
そして、手触りもツルツルというよりふかふか、と言いましょうか。ウールとは違うのですが、使っているとふかふか感が出てきて、あたたかい。でもサラッと感もあるという、なんとも不思議な使い心地です。
綿とシルク、同じ厚さで織ったとしたら、今の季節は綿の方が使いやすいかもしれません。単純に、シルクの方が保温性が高く、暖かいと感じるからです。
でも、シルクは前述のサラッと感もあるのです。暖かいのにサラッとしている。
吸水性と発散性による使い心地だと思うのですが、とすると、夏場の冷房よけには綿よりシルクの方が向いている、ということになりますよね。
綿は使っていて汗をかくと、吸収してしっとりしてくる。
シルクは吸収するけどサラッと感が持続するという感じでしょうか。
まだ僕も夏場に使ってみた訳ではないので推測ですが、今夏は試しに一枚、大きめのシルクストールを織ってみようと思います。