岡本仁さんの本

岡本仁さんの文章に胸をぐっととつかまれています。読んでいるのは「今日の買い物」という本なのですが、その名の通り、お買い物したものについて書いたブログをまとめた内容になっています。それは、物だったり、食だったり、お買い上げした物はつまるところその体験なのかもしれないな、なんて思いながらページをめくっているわけですが、読んでいてとても気持ちが良くなる文章なのです。テンポがいいのか、文脈が心地いいのか、起承転結に巻き込まれているのか、何が気持ちいいのか言葉にできないのですが、1ページに一品という形式でエピソードと共に綴られるそれは、読後の爽快感がそれはそれは心地よく気持ちいいのです。どんどん読みたくなってしまう。あまりにもどんどん読めるからもったいなくなってしまって、「5ページずつ読もう、いや10ページずつにしようか」なんてどうでもいい自分ルールを決め始める始末です。お酒を飲みながら読んだら、それこそお酒が進んで進んで、美味しくなってしまってしょうがないだろうな。なんて思います。飲みすぎてちょうど10ページくらい読んだあたりで眠くなったりしたら楽しいな、なんて変な想像もさせてくれるあたりが本当に楽しい。つくばに帰ってきてからというもの、新しく読むと言ったら自然農の本だとか、自分で作る電力の本だとか、完熟堆肥の作り方だとか、いわゆる実用的な暮らしに直結系な内容の本が多かったのです。でも、岡本さんの本、文章も、テーマはお買い物とありますが、読んでいる時間をワクワクさせてくれて、物や事との関係をより豊かに心地よくしてくれるという点で、暮らしの一部になってくれる直結系の本でありました。これからも読み進めるのがとても楽しみです。