投票すること

「投票して、何か変わる実感はありますか?」

新聞の一コマ。初めて投票に行ったという18歳の高校生に投げかけられた、記者からのちょっと意地悪な質問。分からない、という返答に続いた言葉は、

「でも、選ぶってことはその人にお願いすること。願いは実現してほしい。」

僕が初めて投票に行ったのは25歳くらいの頃だったかな。目の前の仕事に夢中になり、朝から晩まで働き、それなりの充実感を得、世の中のこと、政治のことにはほとんど関心を寄せていなかった。
だって、毎日に満足していたから。
でも、あれれ?なんか世の中おかしい気がするぞ?と思った東日本大震災後。
それから意識的に行ける時は街頭演説を聞きに行ったり、国会中継を見てみたりするようになった。
自分の一票を誰に投じるか。
そこにもっと意識を向けたくなった。

投票することで世の中が変わるかどうかよりも、自分の意識が変わったことが、僕にとってはとても大きな変化だった。
意識が変わると、これまでと同じ風景なのに全く違う側面が見えてきた。
それはまるで、世界が変わったかのような感覚で、見えていなかったものが見えてきたような、色んなものの答え合わせが始まったかのような気がしていた。
そして、その答え合わせを続けながら、もっとやさしい未来はどうしたら作れるのかと考えては試してみる日々。
ルール(法律)を決めるのは政治家さんかもしれないけれど、社会の日常を作っているのは僕ら一般市民なんだから、僕らの感情や行動が社会を作っていて、それが言葉を変えたらやっぱり、僕らが政治を作っているということになるんでしょうな。
だから、自分が変われば世界は変わるっていう言葉は、やっぱり本当なんだと思います。

各地の期日前投票所にて行われた取材記事を読んで、ふと降りてきた感情。

投票で変わるのは、自分自身かもしれません。