記念日

コート・ドールというフレンチのレストランへ行ってきました。
オーナーシェフである斉須政雄さんの著書「調理場という戦場」(幻冬舎)を読んで以来、一度は行ってみたい場所のひとつとなっていました。
初めて伺ったのは3年前、ジュコさんと入籍届けを出しに行く前に「大切な記念日だから」と念願叶えるために行きました。
そうしてお料理の美味しさ、接客の気持ち良さ、そして斉須さんのお人柄に感動し、一年に一度はこんなお店に行けるよう仕事がんばろうね!と背筋を伸ばして帰路につきました。

3年後の今回は、JUCO.のブランド13周年のお祝いに。
そうなのです。記念日といっても、今回はブランドの記念日。
二人とも「調理場という戦場」という本から学んだことも多く、また斉須さんにもお会いしたいね、なんて気持ちもあってのことでした。
お料理はもちろん初めていただいた時の美味しさそのままに、不慣れなレストランという空間にも関わらず、まったく緊張することのない温かみのある接客が心地よく、斉須さんにもお会いすることができました。

「僕がフランスに渡った日も9月2日でしたよ。」
「飛行機は12:50、何もわからないまま、でも、無我夢中でやってきました。」
「たくさんの人たちが並走してくれて、今があります。」
「今でも、何も持たず、ただ立っているだけのあの頃の自分を覚えています。」
「お店をこうして持っているけれど、夢の中にいるような気持ちになることがある。」
「フランスに行った23歳から今まで、あっという間です。」
「規則正しい日々の繰り返しが、仕事になっています。」
「どんなにできるようになっても、人を動かすだけにはなりたくない。」
「若い人たちと働いていると、今でもこの人たちの役に立てる自分がいるんだ、と嬉しくなります。」
「技術のことは僕より彼らの方がたくさん知っている。それ以外のことをいつも話しています。」

御年70歳。現役料理人の斉須さんは、少年のような、朴訥な表情で、こんなようなことを話してくださいました。
ひとつも聞き逃したくない、ずっと覚えていたい、大切な、大切な言葉たちでした。
ゴーシュは始まって3年目、作家活動は9年目、tsutaeは6年目。
まだまだまだまだ、やりたいことはたくさんあります。
やらなくっちゃいけないこともたくさんあります。
ずっとずっと、身体が動く限り、続けていきたい。
来月からは展示会が始まります。
ゴーシュでも、楽しいことしたいですね。
今年の秋も、素晴らしい日々になりそうです。