2018.10.15 92歳のおばあちゃんがゴーシュに織りに来てくれました。 織りをしていたことはあったとのことで、少し織るやいなや、そうだったこうだったとどんどんスムーズに手が動くようになっていって、織り違えたところも、ここがこうで上と下で、、、と一人で解決していって、隣で一緒に織っていたのですが、ため息が出るばかりの織り姿でした。 そして、織る姿もさることながら、戦時中のことを聞かせてくださったことが僕としてはとてもとても貴重な時間になりました。 東京の学校で勉強したかったけど、空襲で危ないからと地方で学んだこと。 でも、学徒動員で本来なら学校行く時間にずっと働いていたこと。 慰安袋というお菓子などを詰めた、戦地の兵隊さんに送るものを作っていたこと。 学びたくても学べない時代であったこと。 B29が低空飛行でたくさんやってきた時のこと。 防空壕がどのくらいの広さだったかということ。 戦争について思っていることを口にできない空気があったこと。 口にすれば手が後ろに回る時代であったこと。 配給でもらう1/3本の大根を家族で食べたこと。。。。。 当時を体験してきた方の言葉は何物にも代え難く、それをはっきりとした声で、凛とした姿勢で発する姿に僕はもう、伝え聞かせてくださったことに感謝するしかできませんでした。 そして、満州へ行っていた祖父母から、もっともっと、話を聞いておきたかったと 取り戻せない時間を悔やみました。 他にもたくさんのことを聞かせてくださいました。 着物文化や言葉の使い方、日本人の感性の豊かさのこと 花嫁修行の中に、お花とお茶があったということ それは日常で使うかどうかということ以上に、その姿勢を学ぶということだったこと。 手紙の書き方。かな文字の変化の仕方。 今でこそ豊かさのひとつとなったことが、当時は当たり前に知らなくてはならないものだったこと。 もっともっと、たくさんのことを知らせていただいた気持ちになりました。 人間として、生き物として、たくましくなりたい。 力強く、優しくなりたいと思いました。 ご縁は実り、これから頻繁にお会いできることになりました。 (ゴーシュのメンバーさんになってくれました!) 織ることを共に楽しみながら、僕も学んでいきたいと思います。