温かい気持ち

atelierゴーシュは明日で3歳になります。
先日ちょこっとブログで書いただけなのですが、メンバーさんがお祝いに、と言ってお菓子の詰め合わせを持ってきてくださいました。
そうして、ゆっくりとしずかに、ゴーシュに対してお礼の言葉をくださいました。どこへ行っても誰と会っても、まっすぐに誠実であって、それを特別なこともすごいこととも思わずに、目の前の人を喜ばせることができるなんて、本当にすごいことだと思います。
朝から予想外の出来事に面食らってしまったと同時に、とっても温かい気持ちをいただいてしまいました。
こんな人が織りに来てくれているなんて、ゴーシュは幸せ者です。
おかげさまで、今日も穏やかな空気でいっぱいでした。
4連休も、コロナのことも、命のことも、暮らしのことも、色々いろいろ、考えることは増える一方ですが、それこそが生きているってことの一部だなぁ、と思います。
僕にとっての4連休は、物思いにふける、静かな時間になりそうです。

嬉しいこと- 体験さん

少しずつ、少しずつ、ゴーシュにいらっしゃる方々が増えてまいりました。
単純に「嬉しい!ありがとうございます!」という気持ちと、「いやいや、世の中はまだまだ混迷の真っ最中。」という、安心とは程遠い現実と、どちらも本当のことなんだよなぁ、と気が引き締まります。

基本的にゴーシュの窓は開け放しておりますが、今の時期は湿度、温度共に高く、心地よく織る環境が保てないときは窓を閉め、定期的に換気をする、という形で進めております。窓を閉めるときは、空気清浄機や扇風機で空気をできる限り止めないよう注意しながら、その時々の心地よい環境を保つよう心がけております。

初めていらっしゃった方が不安にならないように、安心して、手織りを楽しんでもらえるように。
おもいが伝わったかどうかなんて直接聞いたりできませんが、織っている時の雰囲気や織りあがった作品を見た時の表情で、僕もよかったー!と嬉しい気持ちをいただきます。
手織りが与えてくれる感情の豊かさや人の価値観の多様さ、ものづくりの豊かさを体験さんはいつも思い出させてくれます。
僕は毎日毎日織り機に向かって糸に触れていますが、この日々は当たり前なんかじゃないってこと、この数ヶ月は改めてしみじみと感じています。
そうして、織りたいと思う人がゴーシュを見つけて織りに来てくださること。
本当にすごいことだと感じます。
7月25日でゴーシュは3歳。
ようやく幼稚園に入れます。
みなさんと、ちゃんとお話できるようになっているでしょうか。
気が向いたら、気軽にお話しにドアをノックしてみてくださいね。

嬉しいこと- 紫蘇ジュース

最近ゴーシュでは紫蘇ジュースをお出ししています。
この時期になるとお庭のあちこちからわさわさと生えてくる青紫蘇。
紫蘇ジュースといえば鮮やかなピンク色のイメージですが、青紫蘇でもしっかり味と香りがする!ので、いらっしゃる方々の潤いになれば、と作っています。
そうしたら先日メンバーさんが、お家でも作ってみたよ〜、と。
紫蘇ジュースが美味しくかったから、お庭に紫蘇が生えてたし、自分もやってみましたよ〜、と。
こういうの、ほんとうに嬉しいです。
価値観が共有できて、ぐるっと巡った感じといいましょうか。
僕は僕で、シンプルに紫蘇ジュース好きですし、お庭に自然に生えてくるもので作るという過程も楽しいですし、「僕、こんなものが好きですけど、いかがですか?」というくらいの感覚でしたが、こうして、自分でもやってみた!という反応がいただけると、これこそがより楽しいし素敵だ!なんて思ってしまいました。自分の気持ちの中だけで止めずに、作ってみる、形にしてみる。これってすごい楽しいなーって、改めて感じてしまって。
「自分でする」って自分で動かなきゃいけないから一見できることがどんどん限られてくるように思うのですが(実際その側面もありますが)、それでも、自分がいいな〜と感じたことは自分でやってみる、形にしてみるって、できることが増えていくことだし、濃度が高くなっていくっていうのかな。そんな感覚がずいずい湧いてきます。先日の金継ぎなんてまさにそうですし。
そんなこんなで嬉しいと感じたこともこうして書き残しておきたい!と思った早起き朝の投稿でした。

支援

ここ数日、「支援するということ」を改めて考えています。
前回書いたように、支援するならば継続性があるようにしたいですし、支援したお金がちゃんと透明性のある形で使われてほしいです。
支援先がどんな組織や団体なのかも知っておきたいし、どんな人たちが活動されているのかも知りたいし、、、、と思って調べ物をしていると、どんどんどんどん時間が経っていることに気がつきました。
僕は「支援するなら継続性があるように」という言葉に、自分の考え方に捕らわれていたのかもしれません。
支援に何より必要なのはスピードなはずなのに。
困っている人、大変な思いをしている人が「今」いる、その人たちを助けようと動いている人たちが「今」いるのに。
ならば、自分にできることを「今」して、それをしながら考え続け、物事を見続ければいいと思いました。
そうして、間違えたと思ったならば、そこで軌道修正すればいい、と。

現在、ゴーシュ基金から、豪雨災害で支援活動されている熊本支援チーム(以下熊支)という任意団体へ¥10000、ピースウインズジャパン(以下PWJ)という広島県認定NPO法人の「新型コロナウイルス緊急支援」へ¥10000、支援する手続きを進めております。

熊支はジュコさんの熊本出身の友人がFBでシェアしていたことから知り、友人の知人が活動に関わっているとのことから、支援させていただきました。
スマートサプライという支援のプラトフォームがあることも、このことから知ることができました。「必要な人に、必要なものを、必要なだけ」という考え方にとても共感しました。

PWJはtsutaeの展示会でお世話になった渋谷ヒカリエのスペース、aiiima(アイーマ)のチャリティイベントに参加する際、支援先として知ることができました。民間の団体が世界規模で災害、人道支援をしていて、僕が知った限りでは透明性も高く、迅速な対応をしてくださる仕組みが整っていると感じました。
今回は経理の関係で上記のカテゴリーへの支援を進めておりますが、以下の取り組みのような、とても意義深いものがありました。

「新型コロナ抗体大量測定で安心な社会を」 https://donation.yahoo.co.jp/detail/925040

※支援を進めている、という書き方になるのは、ゴーシュ基金にはまだクレジットカードが無く、またATM振込だと記帳に振込先名義が印字されず、履歴を残すための手続きを踏んでいる段階のためです。

僕自身今でも作家として手織りを続けられ、ゴーシュが続けられているのは、紛れも無く社会のおかげであって、そんな社会に暮らすみなさんのおかげであって、ならば少しでも社会貢献がしたい、させてもらいたい、という気持ちから始めたゴーシュ基金。僕は今までどれだけの人に助けられ、おかげさまの人生を重ねてきたのでしょう。ほんの少しでも、世界の循環の一部になれるのならば、こんなに幸いなことはありません。


atelierゴーシュ基金

実は今年の1月から、毎月メンバーさんから頂いている月会費と体験の方々からいただく体験代のうち5%をatelierゴーシュ基金として積み立てております。
社会福祉や被災者支援などの活動に充てる目的としています。
寄付として募っている訳ではなく、毎月の売り上げの一部を基金に充てているのですが、その運用の仕方で悩んでいます。。。。
基本的にお金の動かし方は「三方良し」を大切に考えています。
近江商人の考え方なのですが、作り手、売り手、買い手、みんなが良くなるように商売しなくちゃあきまへんで、というもので、これは何事にも当てはまるなぁ、と思っていて、何か物事を決める時はこの考え方をベースに置くことが多いです。(たまに考えずに直感の時もあります、、、)
基金の場合は、ゴーシュで織っているみなさんと、ゴーシュと、その支援された側、みんながハッピーになる方法が一番良いと思っていて、そこに遠慮やモヤっとした気持ちみたいなものが入る余地がないくらいシンプルに気持ちいい運用をしたいと考えています。
最近だと、コロナのワクチン開発とか演劇やイベントなど芸術関係とか、医療関係の方々へとか、支援先は増えていく一方です。
九州地方の大雨被害だって、大変な状況です。
ですが、その場その場の出来事に反応して動く単発的なもので無く、継続性があってこその支援や福祉だという気持ちがあります。
メンバーさんや体験さんからしたら、寄付という前提がない基金なので僕の不思議な悩みになってしまうかもなのですが、やっぱりゴーシュは楽しい、気持ちの良い場であって、いろんなものが見通せる場を目指したいのです。
それは織ることだけでなくって、ゴーシュという経済活動としてのことも含めて。

動画編集

メンバーさん向けに配信を始めた動画も2ヶ月目に入り、そろそろより見やすく編集もしたいな、、、なんて欲が出始めていろいろと調べています。
俯瞰で撮りたいし、字幕も入れられたらいいな、三脚はどれがいいんだろう、編集アプリは?Youtuberさんはどんな編集してるんだろう?改めて視点を変えながら見てみたりしています。

いやー、織ってる時間なくなりますね!これ!

餅は餅屋?!
しかしながら動画配信している方々も個人の方ばかりですし、みなさんやっぱり自分で試行錯誤して覚えて来られたのだと思いますし、、、。
しかしながらすごい!見ていて楽しい、飽きない動画ってすごい。。。
僕の場合、youtuber目指すわけではなく、ゴーシュにいらっしゃるメンバーさんのタテ糸作りや織りの復習動画になることを目指して始めたものなので、そもそも行き先が違うってこともありますが、やってみるともっとより良く!なんて思ってしまうのが作り手ってものです。

ひとまず編集アプリをダウンロードして、やりながら覚える、慣れる方式を始めました。
みなさんにお見せできるものになるのはいつの日やら、、、、。

ゴーシュインスタで以前はちょくちょくアップしていた、ゴーシュの本棚シリーズ。先日の読書記事を書いてから、改めて本っていいなぁ、と。
そこでまた本棚シリーズを今日から再開してみましたよ。(内容はゴーシュインスタをチェックしてくださ〜い!)
だからかたまたまか、今日いらしたメンバーさんが本を1冊、ゴーシュに寄贈してくださいました。草木染めの本なのですが、友人から譲り受けたものがたまたま自分の本棚にもあったとかで、巡り巡ってゴーシュの元へ。
しかし、昨今は知りたいことがあったらすぐにグーグル先生が答えてくれます。
YouTubeで世界のみなさんが動画で教えてくれます。
本の出番は何処へ?!
いやいや、ニッチな世界はまだまだありまして、本でなければ知りえなかった、出会えなかったであろう情報が、体験があるのです。(あると思う)
最近染め糸を触っているのですが、そのより良い扱い方なんてネットではなかなか見つからなかったりします。あったとしても、うーん、、、、となってしまったり。僕のリサーチ能力が低い、ということも大いにありそうですが、やっぱり本の存在って大きいと感じてしまいます。
知識としての情報はもちろんですが、装丁や紙の質感、ページをめくる動作、厚み、背表紙、全体のサイズ感、色んな知覚情報があります。
最近では読み物ではなく、見るものとしての本にも接するようになりました。
本を購入する理由は増える一方。
物はそんなに増やしたくないと思っているはずなのに、面白いものです。
本棚はその人の頭の中、と言いますし、みなさんとコミュニケーションを取る意味でも、ゴーシュの本棚シリーズ、続けていこうと思います。

糸をコーン巻きする

今日は染めた綛糸(かせいと)をコーンに巻き直す作業(以下コーンアップ)をしました。
糸を染めるためにはまず糸を綛(かせ)という状態にした方が染めやすく、その綛で染めた糸をゴーシュにあるようなコーン巻きの状態にしてから織る、ということが一般的な糸染めの流れ(のはず)です。
のはず、というのも、染めに対して師というものがおりませんで、本を読んだり見聞きした情報をもとに「やってみている」ので、「これでいいはず」という作業進行だったりします。
だからか、ただただ僕が慣れていないからか、すんごく時間がかかってしまいまして、これはちょっと先が長いぞ、、、という状況が見えました。
すごい前進!
というのも、手織りをしていると、「染めはしてるんですか?」「紡いでいるんですか?」とひんぱんにご質問いただきます。
している、と言えるほどの経験はないのですが、したことがある、くらいなのでそのままお伝えしているのですが、今年は染めもしたい(久しぶりに)!、ということで、今日はそのコーンアップ作業だったのです。
しかしながら、みなさんにお伝えする前に僕自身がある程度慣れておかねばならぬ現状がすっごく浮き彫りになりまして、どんな方法がいいのか、簡単に楽しくできるのか、ちょっとムフフと考えております。うん。簡単に楽しく、がいいですよね。はじめの一歩はどんな形がいいか。お庭の藍が育つ前に決めなくっちゃ!

自作の什器

週末はお客様用の荷物入れ兼、棚受けの箱を作りました。
古道具で見つけた餅箱の作りがとても美しくて、こんなデザインでもっと大きいものが作れまいか、、、、と思いたってのDIM(Do it myself)!
完全に文系脳の僕は、設計図を書くなんてしたこともしようとしたこともないのですが、作りたいものができてしまったからにはやるしかありません。
棚板と荷物箱のサイズを測り、それらに合うように仕組みを考え、ホームセンターの板だとどれがいいか、その板は何枚必要か、、、。考え出すと、もっとこうしたら?こうしてみたい!あれこれやりたいことが膨らんで、設計図書き直し書き直し、ならば設計図も実寸通りに縮尺変えて書きたいぞ、なんて思いついたりで、スタートまでにすっごく時間を使ってしまいました。
そうして買い出しに行って、作り始めたら、あれが足りなくなった、これも足りない?!なんてホームセンターを何回か往復して、、、2日間かけて完成しました!
手間がかかった子ほどかわいいもので、しかも、ぴったり寸法のものなんて世には売っていないわけで、、、本当にお気に入りの什器となってくれています。

色んなものがすぐに手に入り、しかもそれなりに使い勝手が良くて、買いやすい値段のものがたくさんある世になりました。僕が子供の頃と比べても、まったく違う世界のようです。でも、ものを作る人の営みは変わらず続いていて、僕たちみたいに、手織りをしたい、やってみたい、という人たちだってたくさんいます。必要なものを自分で作ることが当たり前にできたら、どんなにカッコ良くって豊かで、安心できることでしょう。ゴーシュにまたひとつ、自作の什器ができたことで、ゴーシュという空間により一層愛着が湧きました。織物以外にも、ちらほら自作のものがゴーシュにはありますので、「あれ?これは?」時になるものがあったらぜひ、お声がけくださいね。しっぽ振って喜びながらお話させていただきます。

ミシン

ミシンを踏んでいると思い出す情景があります。

家族5人で並んで眠っていたあの頃。
不意に目を覚ました夜更けに眠気まなこでうすぼんやりと
ふすまから差し込む蛍光灯の光

ダカダカダカダカダカ、ダカダカダカダカダカ、、、、

不規則に、ゆっくり、しっかり、何かが動く機械の音
そのリズムがなんだか心地よくて
またすーっと眠りに落ちていく

穏やかで暖かい、幼少期の記憶。

母が縫ってくれていたものはなんだったかな
上履き袋かな
なんでも入る魔法の手提げかな
一人一枚と言われた雑巾だったかな

僕は最近、お仕事でミシンを踏んでいます

とは言っても、工場さんに頼むような数のある仕事ではなく
かといって専門の特別な技術が必要な縫い物でもありません

手で縫うには強度が足りず、ちょっとだけ数があるような
僕みたいな縫い物好きにはちょうどよい規模感のお仕事です

布を織ること、手織りの心地よさをお伝えしていたら
ミシンをする時間も増えました

物作りは可能性を生み出すことだと思っています

思い出の音だったミシンの音が
誰かの未来の可能性になれますように