東京展示会、終わりました。

金曜日、パタパタと流れるように、流されるように最終日となった東京展示会でしたが、それでも場を設けてよかったと思えた時間でした。
時勢を鑑みると、「展示会をしない」という決断も選択肢にあったのですが、僕たちのような本当に小規模で行っているブランド(tsutae)、アトリエ(ゴーシュ)は場を止めた瞬間に営みの可能性が無くなってしまいます。もともと何の保証もなく、想いの高りのままに始めたことではありますが、だからこそ、自分たちで決断していきたい、すべての責任をできる限り自分に置きたい、という気持ちで行った展示会に、足を運んでくださる方がいる。この事実にとても救われました。
「どうぞいらしてくださいね」と声にすることはできず、でも、「ここにいますね」と発信し続けたら、伝わる人には伝わるんだ、という実感が持てたこと。
今回の一番の収穫はこの体験かもしれません。
大阪での展示会も行うことにしました。
当初新幹線での移動予定でしたが、車で1日かけて安全運転してきます。
会場も完全アポイント制にして、入場人数も上限を決めて、空気を常に循環させて、、、考えられること全部しながら、営みを続けようと思います。
こうした過程はすべてゴーシュという場にも繋がることですので、しっかり反映させていきます。
自己責任という言葉は今は乱暴に、無責任に感じてしまうので使いたくありません。
ただ、自分にできることを自分に対して、世の中に対して嘘の無いようしっかり続けていくことだと思います。
こんな状況だからこそ、できることに眼を向けて、光を見つけていきたいです。

感謝

今日、ゴーシュにいらしたメンバーさんからこんなひと言を頂きました。

「こんな時でも、開けていてくれてありがとうございます。」

いえいえいえいえ、こちらの方こそいらしてくれてありがとうございます!
いらしてもらえて、本当に嬉しいのです。
無理して外出はさせたくない気持ちがあっての臨時休会受付でしたが、やっぱり織りに来ていただけることはとっても嬉しい。
「織りたいと思ってもらえること」
「織り機を使ってもらえること」
「ゴーシュのシステムを活用してもらえること」
全部が全部嬉しいです。
世の中がどうなっていくのか全く見えない現状で、楽しいことがどんどんしにくくなっていますが、こんな時だからこそ「楽しいこと」や「気持ちが落ち着くこと」「じっくりできること」「自分のペースでできること」をしてもらいたいから、ゴーシュはいつもと変わらずオープンし続けています。
何より、選択肢のひとつであり続けたいです。
自粛で休業も大切な決断だと思います。
でも、それで世の中から選択肢がどんどん無くなっていくことは、とっても寂しいんです。
ゴーシュは小さな手織工房ですし、ご来場の方々も「不特定多数」ではなく、みなさんどちらにお住いの方かはっきりしています。
一度にゴーシュに滞在される方も、僕を含め多くて5人です。
どこまで気をつけたら正解かなんてキリがないですが、それでもできることをできるだけして、「織りたいと思う方に来ていただける場所」であり続けたい。

今だからこそ、安心・安全を見直しながら、これまで以上に「織りたいものが織れる場所」であり続けたい。

織り機改造

展示会前になると、準備のあれこれでどうしても話題が片寄ってしまうのですが、半年に一度のことなのでどうかご容赦いただきお付き合いくださいませませ。
ということで今日は、織り機の改造をしましたよ。
展示会では織り機と共に在廊し、実演しながら接客をするわけですが、搬入搬出がどうにもネックでした。
少しだけ解体すれば車に積めるので、ゴーシュのイベント出店の際はそうしているのですが、都内や大阪での展示会となると、基本的に発送となります。
そこでどこをどう解体してどうパッキングしたらよいものか、常に思案のし所でした。
解体と組み立ての時間のバランス、送料のこと、ならばどれを手持ちにするのか、アレコレアレコレ、、、、。
そして来週から始まる東京展。都内では移動に電車の乗り換えも多く、動く時はなるべく身軽にいたい。今回ももちろん配送での搬入です。
さて、ここでキョロキョロ周りを見ていたら、「パキーン!!」とひらめいてしまいました。パッキングできないサイズの部品があるなら、できるサイズにしちゃえばいい!分解するでなく、そもそもその部品自体を違う形状のものに代えればいいじゃないの?!
今まで外したことのないネジを外して、部品を交換して、組み上げて、不具合はないか確認して、、、、。
初めてのことは一筋縄ではいかないものですが、無事落ち着く所へ持って行けました。
文章で書くととっても伝わりずらいことは200も承知でございますので、ゴーシュにいらした際はちらちら織り機を見てみてくださいね。
なるほど〜と思ってもらえたらとても嬉しいです。
そして、伝わりずらいことをなんでこうして書くのかと言いますと、最近ほぼ毎日ブログになって、もはやブログは僕の日記として機能しはじめた!ということですな。

出店情報

ゴーシュでは、夏までに2つのイベントに参加いたします。
どちらのイベントも毎年お世話になっていまして、今から当日が楽しみな次第です!

つくばスローマーケットvol,13
会期:5/30(土)31(日)
時間:10:00~16:00
会場:つくばハウジングパーク 茨城県つくば市研究学園6-51-12

しかしながら先が見えない現状にて、イベント運営スタッフさんから方向性と考え方のご連絡もいただいております。
政府要請のこともありますが、会場管理者さんとは開催の方向で考えておられるとのことでした。
こうして途中経過をお知らせいただけることが、参加者としてはとてもありがたいです。どこに向かっているのか、何が目的で行われるイベントなのか、などなど意識共有があると思えるってとても嬉しい。
「誰かが作ったイベント」から「自分が参加して作り上げるイベント」になりますもんね。今回の会場はこれまでと全く違った場所なので(住宅展示場!)本当に、どんな時間にできるのか、今からあれこれ考えていきます!

フェルム・ド・フェス vol,6
会期:6/20(土)21(日)
時間:10:00~16:00
会場:こもれび森のイバライド 茨城県稲敷市上君山2060-1

こちらも、毎回出店者さんたちのクオリティが半端なく高くて、参加するたびお財布の紐が緩んでしょうがないイベントです。
アンティークや古着屋さんたちも出店されていて、「欲しいと思えるものと出会えるって嬉しい!」と滅多にわかない物欲がむくむくしてしまうのです。
ここのセレクト、好きだなー!なんて思えるお店と出会えたらもう、たまらないのです。同じイベントに出ているってだけで、他業種の方もなんだか仲間みたいな気持ちになってしまう。こちらも今から予定帳にメモして欲しいイベントです。

イベントについてはこれからも少しずつご案内していこうと思います!
お楽しみにしてくださいね。

シルク糸入荷しました

これまでゴーシュでは扱っていなかったシルク糸。
でも、手織りをするなら一度は織ってみたいシルク糸。
ゴーシュ3年目もまとめに入るこの時期に、とうとう入荷です!
シルクといえば細ーくてキラキラツルツルの輝く糸が一般的。
でも、そんなシルクを織るにはどうしても長年の経験や技術が必要になることが多いです。でも、今回ゴーシュで仕入れたシルクはちょっと違います。ぱっと見はこれもシルクなの?という雰囲気ですが、そこはちゃんと手にとって見てみてください。しっかりシルクの輝きがありつつ、手織りに慣れていない方でも扱いやすい太さがあります。綿と同じような感覚で使えて、でもその性質はもちろんシルク!速乾性や紫外線カットなど、お日様が元気になってくるこれからの季節にも使いやすい糸だったりします。
ウールほど暖かくなくていいけど、綿だとちょっと頼りない。そんな時にシルクを使うと、ちょっとオシャレしてる感じの巻物に仕上がります。(ほんとです。)この「感じ」っていう塩梅が僕はいいなーと思って今回のシルクを選びました。いわゆるキラキラツルツルのシルクだと、「いかにもシルク」になってしまうので、使う時も「シルク巻いてます〜!」になってしまうから、さりげないシルクの取り入れ方をゴーシュのみなさんにはご提案させてください。
全18色のシルク糸。
(色は明日、ゴーシュのインスタにアップします〜!)
今回は残糸ではないので、気に入ってくださる方が多ければしっかりリピート入荷していきますね。
材料費も綿・ウール¥15/g とカシミヤ¥50/g の間、シルク¥30/g に設定しました。これからの季節にシルク、ぜひチャレンジしてみてください。

ゴーシュのコロナウイルス感染・拡大防止について

こんばんは。
atelierゴーシュの酒寄です。
これまで徐々に徐々にではありましたが、昨日、とうとう分かりやすく日本社会が大きく揺れたと感じています。
そんな中、少しでも安心が生まれたら、と思いお知らせさせていただきます。

・今頃ではありますが、ゴーシュのエントランス、お手洗いにも消毒スブレーを設けました。(無水エタノール、精製水、アロマで作っています。)
・みなさんが触れるドアノブ、織り機なども毎朝の拭き上げを徹底いたします。
・換気ももちろん毎朝しております。
・3月からは、オープン中のマスク着用もさせていただきます。
・会員さんには臨時休会の受付をしました。
・すでにご予約いただいている体験のみなさんも、無理なくご判断くださいませ。

何がどこまでできるか、どこまでを気にするかは人それぞれになってしまいますし、だからと言って全員の価値観に対応できないから営業しないとなったら経済活動が止まるわけで、それこそ目の前の暮らしが止まり、生きていけなくなります。自粛要請はいいのですが、ゴーシュの営みは止めたくないし(止めたら死んじゃう)、進み続けることで肯定的な価値観を表現していきたいと思っています。
続々と各地イベントの延期が発表されていますが、決断されたみなさんの背景を思うと本当に辛くなります。
ゴーシュで織ることが安心と共に在れるよう、最善を尽くします。
大変だけど、頑張りましょうね。

意思決定

先日のイベント出店から、制作まで、ここ数日はぐぐぐいーっと駆け抜けたような感覚があります。雑誌の取材なんてのもありましたし、毎週末、何かしらこれ!ってのがあって、息抜く間もないような、それが楽しくって心地いいような、そんな最近です。

イベント出店では初日100%雨予報。
荒天ではない限りイベントは中止にはならない方針だったのですが、雨というのはどうにも色々とハードルが上がってきます。
搬出入から設営、オープンの間、雨に加えて時折吹く予測つかない風、風、風、とか。
ゴーシュのイベント出店は、いつも手織り体験と糸の販売です。
織り機は濡らしたくない。糸も濡れて汚したくない。売り物にならなくなる。
出店していても、悪天候だと気持ちもどんどん萎えてくるだろう。
でも、こんな時だからこそ!と足を運んでくださる方々だって絶対いる。
そんな方々とお話することで生まれるかもしれない絆みたいなものは、何物にも変えられない宝物になる(プライスレス)だってこともわかってる。
だったら、こんな天候でも、主催者がやる!って言っているんだし、ここは迷わず行くべきなんじゃないか。
色々なこと考えながら(迷いながら)、早朝5時から1時間、ベランダで雨を眺めなていました。
車に荷物は積んであります。
あとはアクセルを踏むだけだ。
さあ、どうするつよし。。。。。

悩みに悩んで初日、不参加を決めました。
その分、普段できないアトリエの掃除や事務仕事を1日かけてしまくりました。
2日目は、びっくりするような快晴。
初日の分も!と、どれだけのことができたかは分かりませんが、日々日々、悩んでは正解かもわからない答えをその時々で出しながら、その時の自分と今の自分を信じて信じて、ひたすらいかに笑って日々を終えるために何ができるかを決め手に意思決定をしています。
ゴーシュはもうすぐ3年目に突入。
どうしたらもっと、今の仲間たち(メンバーさんや体験さん)が居心地よくなって、ゴーシュを使いやすくなるかをこれまた大きな意思決定へまっしぐらな最近です。

可能性について

ゴーシュは、色々な可能性を感じられる場所でありたいと思っています。

暮らしのものを自分で作ることができること。
こうじゃなきゃいけない、なんて実は何もないこと。
上手にする必要なんて何もないこと。
それは手織りはもちろん、日々の暮らしだってそうだということ。
自分の好きなことを仕事にしていくということ。
心地いい暮らしをするということ。
大切な人を幸せにするということ。
知りたいと思った情報があるということ。
今まで出会えなかった人たちと出会えるということ。
自分の居場所がある思えること。
自分で選んで決めることができるということ。
これからも楽しく生きていけると思えるということ。

もうすぐゴーシュは2周年です。
今、集ってくださる方々がどうすればもっと楽に、楽しく、無理なく手織りを続けていけるようになるか。
暮らしの一部として、手織りを続けていけるのか。
ゴーシュを始める前に考えた仕組みが、このままずっと通用するとは思っていなくって、その時々で柔軟に変化させていきたいと考えています。
僕自身の手織り作家としての製作もどんどん変化していますし、その活動もしっかりと深め、飛躍させていくことが、結果的にゴーシュの可能性のひとつになると思っています。
以前、「手織りでご飯を食べていきたいんです」という方が相談に来てくれました。
その時僕は手織りを初めて8年、ゴーシュを初めて1年目でした。
そんな想いを持っている方がいて、僕みたいなのを見つけてくれて、相談に来てくれる。
続けていてよかった。
本当に、そう思いました。


ハッピーの仕組み

3月11日のことについて、思っていることを色々と書きたいと思いながらも筆は進まなくって、進んだことと言えばアトリエの日々と製作、それにお庭のメンテナンスだったりします。
今年は畑の数を増やして、少量多品種どこまでできるかをやってみます。
ゴーシュに来る方々も、来る度畑の野菜が育っていく様子が見れたり、夏にはトマトなんてちょっともぎって食べてもらったりしたら楽しいな、なんて思ってお庭の畑を整えています。
そうして、土が汚染されて、空気が吸えない場所になって、代々続いた畑から離れなくては生きていけなくなってしまった方々たちの気持ちは、想像を絶するものであろうことが、ほんの少し分かるような気持ちでいます。
土に触れれば触れるほど、分かる、だなんて絶対言えない気持ちになる。
アトリエにいらしたメンバーさんとも、当時どこにいて、何をしていたか、どんな気持ちだったか、などを話しました。
忘れることなく、意識を持って、心に留めていかなきゃならない記憶。

暖かくなってきて、季節と一緒にゴーシュも少しずつ変わっていきます。
お庭の様子も、仕組みのことも。
来てくださる方々が少しずつ増えてきて、どうしたらみんなが気持ちよいことができるかな、と考えています。
手織りに興味を持っている人なんて全人口の0,1%にも満たないであろうなかで、縁あってゴーシュを見つけてくれた方々がいます。
そんな小さな小さな縁なのだから、ゴーシュに来てくださる人たち全員がハッピーになれる仕組みは、必ず作れるものだと信じています。

お知らせ、更新しました。

寒い日はまだまだ無くならなくって、コートを着る日もあるのですが、、、ゴーシュのお庭からは春の息吹が聞こえてきます。
天ぷらにしたり、蕗味噌にしたり、季節ならではの食がお庭からやってくるというものはとても楽しいものです。
都内で暮らしていたころは、スーパーでふきのとうを見かけても、「どうやって食べようかな〜」なんて思わなかったのですが、今は、季節と食との関係がとってもリアルになっています。

畑仕事も着々と進めています。
庭木の成長とともに、日陰のできる範囲も変わってきたので畑の位置も変えようかと進行中。

土の中の野菜は育たない土壌なのかな、と思っていた昨年でしたが、しっかり耕してみたら、、、踏み固められた表面の下から柔らかい土が出てきました。
そしてヤブカラシの根もたくさん。
今では、これも食べたら美味しかったりするのかなーなんて思ったりしちゃいます。
(さすがに試してはいませんよ。)

ちょっとしたスペースにも畝を作ってみました。
ここにスイカを植えて、空中スイカワールドを作りたいのです!

そんなこんなをしつつ、3月から6月にかけて、ゴーシュは色んなところでイベント出店しますよ。
糸と織り機を担いで、ワークショップと糸屋さんになります。
スケジュールは「お知らせ」のページでご確認くださいませね。
お近くの会場でお会いしましょう!