のんびりなゴーシュ

最近のゴーシュはのんびりしていまして、体験さんでもメンバーさんでもご予約がある日は自然とそのまま貸切になることが多いです。織り方やタテ糸のセットの仕方などの説明が終わると、あとはみなさん自分の世界に入って織りに集中したり、ご友人、ご家族とご来場の方達は何気ない会話をしながら見せ合いっこしたりしつつ織って行かれてます。ひとりひとり違う自分の時間をゴーシュで過ごしていってもらえたらいいなぁと思いますし、何度も織りに来てくださる方には、大切な自分の時間を重ねていってもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。そのちょっとした隙間で僕もみなさんとお話しさせていただくのですが、その何気ない会話がいつもご褒美のようだなぁと感じています。
もちろん、初めてご来場の方には織りについてのお話しが主なのですが、2度3度とお会いできる方はお互いの雰囲気も知ってきますから、お話の内容も自然と変わってきまして。お庭のことだったり、ゴーシュの建物のことだったり、食べ物のことや家族のこと、暮らしのちょっとした会話になったりすることもあります。ゴーシュにご予約がない日は基本僕が制作をしたり、デスクワークをしたりしていて、むしろそういった日の方がほとんどなので、やっぱりこう、人とお話ができるって嬉しくって楽しいことなんですね。こう書くとなんだか寂しがり屋さんというか、一人っ子みたいな感じがしちゃって書いててちょっと笑えるのですが、それもそうかもしれません。ゴーシュと並行して営んでいるストールブランドのtsutaeは基本、半年に一回の展示会が晴れの舞台でして、それ以外は制作したり、企画を練ったりしていることがほとんどで、自分や糸との会話がほとんどです。それもそれで充実した時間なのですが、やっぱり人との会話は特別です。それも、ゴーシュにいらっしゃる方といったら、手織りに興味がある人しかいないのですからもう、ありがたいったらありません。今日は最近入会されたメンバーさんが自然と貸切になったのですが、こんな感じで、ちょっとお話ししたりじっくり織ったりな時間を一緒に重ねていました。人それぞれの、いろんな時間。手織りを介したいろんなコミュニケーションを作っていきたいなーと改めて思った1日でした。

ゴーシュクローズの日

ご予約がない日のゴーシュはクローズ。最近は主に春の展示会に向けて、ひたすら織っています。今日はコラボレートの依頼をいただいた制作&ストールカラーセミオーダーのサンプル製作。秋の展示会と違って春は受注会の場でもあります。春にいただいたオーダーをぐわわわー!と織って、寒くなるちょっと前にお届け。東京で活動していた頃は、ただただひたすら織りたいように織っていたのですが、今はデザインのことや生産のこと、糸の在庫も加味した企画をしてみたり、、、、と、ずいぶん織りとの関わり方が変わってきました。それでもこれまでやっていなかったことをするようになったり、ちょっとでもその段取りが理解できるようになったら、それはそれは気持ちよくって。自分の織りたいように織る、ということはどんな過程であってもやっぱり”自由”な感覚を持てるのだと思います。今朝の新聞で目に止まったひと言がありました。「9回作ってうまくいかなくても、10回目に成功する。」なんとまぁ、織り続ける日々を肯定してくれる言葉でしょう。時代の荒波を乗り越えてきた先人の言葉はとっても強くて逞しい。

母が手織りを始めました

最近、母が織りに来ています。
3兄弟の末っ子が僕で、その僕が40歳なのでそこそこの年齢なのですが、あんなものを織りたい、こんなものが巻きたい、とタテ糸作りからチャレンジしているんですね。
母が息子の仕事に興味を持ってくれて、それをやってみたいだなんてそれはそれは嬉しいことなので、いらっしゃいようこそゴーシュへ!とばかりに週一回のペースで来てね、と手を引きながらタテ糸の作り方や織り方を伝えています。
「これ、前にやったかな〜?!やった覚えないな〜!」
なんて会話はもはや当たり前。いや、むしろそれは母だからではなくって、タテ糸作りを覚えたい!といらっしゃるメンバーさんでもどんな方でも、1度や2度では覚えられないことが当たり前。前職の工房でスタッフをしていた時にお伝えしていた経験を含めてはや10年。タテ糸作りの一連の流れを初めての方に説明するとどんな方でも「これ、一人でできるようになる気がしない、、、、」とおっしゃいます。もちろん僕も、初めての時はそう思いました。なので、母とのやりとりもなんのその。家族だからこそのザックバランさと言いますか、気の置けないやりとりと言いますか、そんな雰囲気はありつつも、母のおかげでゴーシュに新しい空気が通っています。毎週決まった曜日に来てくれるメンバーさんがいるのですが、母との会話を笑いながら楽しそうにしてくれています。もちろん母も普段会わないような方とお話しできて楽しそうです。東京で仕事をしていた頃の僕は2~3年で仕事が変わって、いわゆる定職というものに落ち着けず、(いつも目の前の仕事が生涯の仕事と思っていたのですよ)随分母も心配していたと思います。僕が社会に出る頃に父が亡くなっているので、その心配も大きかっただろうな、と。色々紆余曲折あった上に、今度は手織り、、、?と思う気持ちもあったかもしれませんが、こうして共に時間を重ねている今があるので、ささやかながら親孝行できているのかな、なんて思っています。息子の僕から見ても裏表のない、さっぱりした人だなー!と思う母なので、ゴーシュにいらっしゃるみなさんも気兼ね無く母と話してもらえたら嬉しいです。

畑の準備

ゴーシュのお庭には小さいながら畑がありまして、週末はその整地をしていました。
なるべく自然農に近い状態をつくりたいなー!と思ってコンポスターで作った堆肥を入れたり、お庭の落ち葉から腐葉土を作って重ねてみたり、なるべく持ち込まず、持ち出さず、の考えをベースにしてきたのですが、如何せん収量が少なすぎて、、、。家族で楽しむ分にはそれでも良いのですが、目指すところはもう少し先でして。ゴーシュにいらしてくれた方に、お裾分けができるくらいには実ってもらいたいわけなのです。「や、どうぞどうぞ、もぎっていってくださいな。食べてみてくださいな。意外と美味しいですよ^^」なんて言いながら、織物だけでなく、お庭の環境もシェアできたら楽しいなー!と思っているのです。昨年の夏はきゅうりでそのことが叶ったのですが、それがいろんな野菜や果実でできたらなぁという目標があるのです!そう思っていたら、有難いご縁で畑の先生が見つかりまして、ゴーシュの土の状態をお伝えしながら導きをいただいているところなのです。まずは土壌を整えて、粘土質からせめてもう少しふかっとした土にならないと、土中の野菜ができません、、、、。お庭でネギや大根作りたいのです。子供が来たら、大根抜いてごらんって、抜きたてかじってごらんよ〜と言いたいのです。ひとまず今できることはやれたので、春、暖かくなってきたら夏野菜のタネを巻いて、どうなっていくか!こんな感じで手織りと暮らしの境界線をできるだけ無くしていくべく、環境づくりを進めていきます。画像はインスタグラムに載せていますので、ご興味ある方はそちらご覧ください〜!

nicethings

最新号(2023年2月時点)にゴーシュとtsutae、 JUCO .さんのことが掲載されています。
オファーをいただいたときは、なぜ僕たちに?!とびっくりしたのですが、担当さんがとても誠実な方で、雑誌の目指す形、表現したいことを応援したいと思ったため僭越ながら受けさせていただいた次第です。しかしながら8ページ!すごいですね!これまたえぇっ?!となったのですが、nicethingsとしてはひとつの取材先にこれくらいはいつも通りというか、むしろページ数が足りないくらいなんだそうです。想像するに、雑誌という形を保って世に出すには掲載内容のバリエーションはもちろん、写真の雰囲気、紙質、製本の仕方、発行部数、届け方、、、、色んないろんな制約と言いますか、先人たちが見つけたフォーマットと言いますか、そんなものがあるはずで、それでもそれを盲目に信じるわけでなく、自分たちの形にしたい雑誌という形を目指している姿勢が、本当に希有なことだと思いまして。
その形のひとつが、”ひとつの取材先をしっかりしたボリュームで掲載する” なんでしょうな、と感じたわけでして。取材もほぼ1日を使ってくれて、本当に足を使って本を作っているんだなー!と知らぬ世界の一端に触れされてもらえた時間でした。nicethingsの既刊を見ると、チラホラと知人、作り手仲間も載っていたりして。それだけで気持ちがぐんと近づいたりもしつつ。
内容読んで色々と感じたこともありますが、シンプルに本の佇まいが最高です。紙質にも驚きました。ページをめくっている、という感覚がしっかりします。インテリアにもなってくれそうな雰囲気。お取り扱いの書店が地方には少ないのですが、もしご興味いただけた方はぜひ、オンラインへどうぞ。そして、できることなら心の最寄り店で。もしくは、地方の書店さんをご利用ください。nicethingsを扱っているお店は、きっといいお店に違いないから。
追記
nicethingsたくさんのご注文ありがとうございます!
現在納品待ちの状況でして、届き次第皆さんのお手元への手配を進めます。
少人数の編集部と聞いています。待つ時間もお楽しみいただけたら、、、、ありがたいですー!

千年一日珈琲焙煎所

ゴーシュメンバーさんのお一人が働いている、千年一日珈琲焙煎所。
つくばにお住まいの方ならご存知でしょうか。珈琲のお豆が買えるほかに、絵や写真の展示をしていたり、ちょっと気になるイベントのフライヤーが置いていたりする、文化の香りが心地いい場所です。
その焙煎所が”天然生活”に載っているということで、メンバーさんがお知らせしてくれました。
5ページの取材記事のキャッチコピーは”あたりまえに働ける場所へ”。
店主の大坪さんとはお会いした時にひと言ふた言、何気ない会話をするくらいですが、なんだかちょっと変わった雰囲気で気になるぞ!?と思っていました。その僕の”気になる”の答えが書かれた内容がそこにはあって、なるほどなー!と色々ガッテン腑に落ちました。
個人でお店を始める人は何かしらの志や実現したい暮らし、目指す社会、世の中との関係性があるものと思っているのですが、大坪さんのそれが一部垣間見えて、とっても嬉しい気持ちになりました。
希望があるっていうのかな。こんな人がいてくれることが有難いなぁと。
もっと世の中が寛容な社会になればいいなぁと思うし、優しい価値観が増えれば、ギブの気持ちが自然と循環するでしょうし、できないことを落ち込むのではなくて(落ち込んだっていいのだけれど!)、できることをもっと伸ばせる、夢中になれることに突き進める社会ができるような気がしています。
色んな人がいていいし、いた方が豊かだし、いろーんな価値観を集めて、その違うみんなそれぞれが生き生きとした日々を重ねられたら最高だと思うのですが、大坪さんの見てる世界はなんだかそれを実現できるような気がしました。それは5年後10年後か、もっと先かもしれないけれど、その想いを持って日々を営んでいることが素敵で最高だなぁって。なんかよくわからないんですが、今度あったら「先輩!」って呼びたくなりました。

時余利

益子に行ってきました。
かれこれ1年以上ご無沙汰だったのですが、夫婦共に好きな街で、何より古道具屋さんが好みなのです。
点在しているお店はそれぞれに個性があって、いつも何かしら心に響くものがあり、その時々でこれは、、、というものを連れ帰ったりしています。中でもスタッフさんの感じがとても良く、益子に行ったら必ず立ち寄るお店があったのですが、そのスタッフさんが独立し、お店を出されたとのことで訪問してきました。いちスタッフだった時は、やはりオーナーさんがあってのお店であって、”その空間での自分”というものをしっかり意識されていたのでしょう。その時ももちろん素敵な立ち振る舞いだったのですが、ご自身のお店で、自らセレクトした古道具たち、商品たちと共にいらっしゃる姿はより一層穏やかで、より誠実さが際立つと言いますか、空間を共にしていてとても心地よい気持ちになりました。
”ものを選ぶということは自分を選ぶということ。ものを作るということは自分を作るということ。ものを買うということは自分を買うということ”というようなことを言っていた先人を思い出しましたが、やはりこのお店も同じく、店主が選んだものたちを見ていると、言葉はなくとも彼と会話しているような、彼自身の内面を見せてもらっているような、そんな不思議な高揚感がありました。そんな場所で連れ帰ったのは、木彫りのクマと子ども用の小さな椅子。クマにはユーモアのあるポージングに惹かれ、椅子には健やかな子どもたちが座ってきたであろう凛とした佇まいに惹かれました。古いものにはそれぞれの記憶があって、それを選んで今の世に生きる僕たちに伝えてくれる人の眼があって、そこには言葉少なくとも確かなコミュニケーションがあるなぁと感じ入る時間となりました。
益子に行った際はぜひ、立ち寄ってみてくださいね。
”時余利”(じあまり)
321-4217
栃木県益子町益子2759
0285-81-7274
平日:13:00-18:00
土日祝:11:00-18:00
定休:毎月5の倍数日

ゴーシュの整経糸

ゴーシュのオンラインストアに、”ゴーシュにおまかせ整経糸”と言う商品があります。
織機を持っている方でないと「なんのこっちゃ!」な商品なのですが、整経糸とはいわゆるタテ糸のことでして(手織りではタテ糸を経糸と書きます。整えた経の糸と言うことですね)つまりタテ糸だけの商品だったりします。工場や工芸館のようなところで織り手として働いていない限り、基本的に趣味の手織りは自分の好きなように織ります。それはそれで最高に楽しい時間なのですが、織りを続けていくと、時に「いつも同じ感じの色合いばかりになるなー」ということがあったりします。そんな時に、自分の感覚とは違う「人が作ったタテ糸」で織ると、とーっても新鮮で、また自分の世界が広がったりするのです。なので、そういった方向けに”ゴーシュにおまかせ整経糸”という商品をご用意したりしています。とはいえ、織機を自分で持って織りをしている方はとっても少ないです。ゴーシュのHPをHPを見てくださっている方は、何かしら手織りに興味がある方なので、もしかしたら身近に織り機を持っている方がいるかもしれませんが、やはりそれでも少数派だと思います。そして、少数派なだけに、手織りのあれこれを知ったり、自分の世界を広げてもっともっと織りを楽しめるはずが、なかなかそうもいかなかったりする方もいらしゃいます。そんな方に、ゴーシュの整経糸で思い切り世界を広げてもらったり、ただただ楽しんでいただけたりしたらいいなぁ、と思っています。
そんなこんなで、先日久しぶりに”ゴーシュにおまかせ整経糸”のご注文をいただきました!
おまかせとはいっても、タテ糸の色や長さ、お好みを聞いていたりするのですが、今回はすべておまかせ!ということで、うれしくも難しい、、、いや、やりがいのあるオーダーでした。
お会いしたことのない方からのご注文はとっても嬉しい反面、とても緊張します。
その人のイメージがない分、どんなタテ糸が楽しんでもらえるのか、想像できないからです、、、。
とはいえできません!とお断りするなんてもってのほかでして、ゴーシュなりに”まずはこんな感じはいかがですか?!”のご提案タテ糸を作って送らせていただきました。楽しんでもらえているかな、びっくりしたかな、困っちゃったかな、大丈夫かな、、、、。直接反応を見れるわけでないのがまた難しいところですが、いつかどこかでお会いして、感想聞くことができたらいいなー!とその時を楽しみにしています。

つくばのお宿


昨日は書いてなかったのですが、そもそも、なんでつくばでお泊まり旅行しよう!となったかと言いますと、、、、昨年予定していた家族旅行に体調不良で行けなくなって、遠出じゃなくてもどこかいきたいね!家族でお泊まりしたいね!というところからの筑波山温泉宿はどう?となった今回の旅行でした。地元で旅行って言うのかはさておき、筑波山のお宿を目的地にしたのは、ちょっとした理由がありまして。ゴーシュに遠方から来てくれる方にちゃんとオススメできるお宿を僕が知らない(行ったことない)ということからでした。5年もゴーシュをしていると、わざわざ高速乗って1時間以上かけて来てくださる方もあったりしまして、「小旅行に泊まりがけで〜」と聞いたりもしていました。素敵なお店さんや施設など、遊びに行けるおすすめの場所は知っていれども、そういえば滞在場所は知りません。場所と名前は知ってはいるけど(つくば駅周りにあるホテルとか、それこそ筑波山にある温泉宿とか)、僕自身行ったことがないので、ちゃんとオススメしていいものかどうか、曖昧な気持ちがありました。ならばならば、行ってみようと。家族で心地よく滞在できるお宿なら、どんな方にも笑顔でオススメできるなー!と。そんなこんなで、ちょっとゴーシュからは距離がありますが、せっかくつくばでお泊まりまで考えてくださっているなら、ここいいですよ!とご紹介できるお宿を知っておきたかったのです。目指すは、”家族連れ””社会人の友人同士””学生さん”などなど、世代や背景に合わせたお宿紹介なんてできたら楽しいなー!なんて思っています。兎にも角にも、つくばでちょっといいお宿に泊まりたい!と思ったら、「筑波山江戸屋」オススメです〜!

筑波山江戸屋

先日ホテル下見に行ってきたお話をしましたが、週末、泊まってきましたよ江戸屋さん!
何軒か気になるところを見たうち、ここが一番いいね!と思った江戸屋さん。
そして実際はもう、とてもとても良い滞在となりました。
空間が素敵なことはもちろんですが、スタッフさんの対応が心地よく、旅行に来た感があるっていうのかなー!和服姿の仲居さん?がお部屋まで案内してくれたり、施設のご案内があったり、それなりのホテルでは当たり前なのかもしれないですけど、僕にとってはすごく新鮮でですね、地元つくばなのに、こんな接客してもらえるだけで、旅行感というか、非日常感があって、とってもよかったのです。
食事はお部屋とは別の個室で御膳をいただいたのですが、これまた薄味の、でもしっかり美味しい和食の色々がありまして。ほんとに美味しかったなー。温泉もやっぱり綺麗に整っていて、気持ちが行き届いていると言うのでしょうか、露天も24時間入れますし、色々すごかったです。
でも、きらびやかな”ホテルー!”みたいな感じではなく、気持ちが落ち着く感じ。
創業390余年の歴史が随所に感じられる家具と現代のインテリアも素敵なバランスですし、こう、いいホテルって裏切らないんですね!ってすごく納得してしまいました。
こんなに近場なのに、こんなに特別な体験ができる江戸屋さん。
他のお部屋にも泊まってみたいね!と家族で話すくらい気に入ってしまいました。
またみんなで来れるようお仕事がんばろー!