記念日 2019.09.02 コート・ドールというフレンチのレストランへ行ってきました。オーナーシェフである斉須政雄さんの著書「調理場という戦場」(幻冬舎)を読んで以来、一度は行ってみたい場所のひとつとなっていました。初めて伺ったのは3年前、ジュコさんと入籍届けを出しに行く前に「大切な記念日だから」と念願叶えるために行きました。そうしてお料理の美味しさ、接客の気持ち良さ、そして斉須さんのお人柄に感動し、一年に一度はこんなお店に行けるよう仕事がんばろうね!と背筋を伸ばして帰路につきました。3年後の今回は、JUCO.のブランド13周年のお祝いに。そうなのです。記念日といっても、今回はブランドの記念日。二人とも「調理場という戦場」という本から学んだことも多く、また斉須さんにもお会いしたいね、なんて気持ちもあってのことでした。お料理はもちろん初めていただいた時の美味しさそのままに、不慣れなレストランという空間にも関わらず、まったく緊張することのない温かみのある接客が心地よく、斉須さんにもお会いすることができました。「僕がフランスに渡った日も9月2日でしたよ。」「飛行機は12:50、何もわからないまま、でも、無我夢中でやってきました。」「たくさんの人たちが並走してくれて、今があります。」「今でも、何も持たず、ただ立っているだけのあの頃の自分を覚えています。」「お店をこうして持っているけれど、夢の中にいるような気持ちになることがある。」「フランスに行った23歳から今まで、あっという間です。」「規則正しい日々の繰り返しが、仕事になっています。」「どんなにできるようになっても、人を動かすだけにはなりたくない。」「若い人たちと働いていると、今でもこの人たちの役に立てる自分がいるんだ、と嬉しくなります。」「技術のことは僕より彼らの方がたくさん知っている。それ以外のことをいつも話しています。」御年70歳。現役料理人の斉須さんは、少年のような、朴訥な表情で、こんなようなことを話してくださいました。ひとつも聞き逃したくない、ずっと覚えていたい、大切な、大切な言葉たちでした。ゴーシュは始まって3年目、作家活動は9年目、tsutaeは6年目。まだまだまだまだ、やりたいことはたくさんあります。やらなくっちゃいけないこともたくさんあります。ずっとずっと、身体が動く限り、続けていきたい。来月からは展示会が始まります。ゴーシュでも、楽しいことしたいですね。今年の秋も、素晴らしい日々になりそうです。